この時期には珍しい青空が広がり太陽の光が暖かく感じる心地良い天気の中、配達の為国道を気持ちよく走らせていると左前方の脇道から上下のウィンドブレーカーに毛糸の帽子サングラスという井出達のガッシリとした体系の男が自転車を走らせているのが見えた、走らせ方に不穏な匂いを感じたが、意思のある走り方をしているように見えたので大丈夫と思っていたら、まさかのいきなりの国道横断、私の車を完全に視界に入ってないようで慌ててクラクションと急ブレーキそして右へ急ハンドル。でももうすぐ目の前に自転車で完全にもう駄目だ、その瞬間何がどうなったか分からないが、自分の車は反対車線の先の路肩に対抗車線向きに停車目の前はゲームセンター。ぶつかった感触がなく後ろを振り向いたら自転車男が脇をすり抜け歩道へ、「コノヤロー」と降りて自転車男に向うとそいつはロシア人(たぶん)、お辞儀して謝ってくるが俺が何を言ってるのか分からないのを良いことにケロッとしてその場を何もなかったように立ち去る。それから一時呆然としながら状況を思い出すと、ぶつかると思った時に姿が消えたような気がしたのはロシア人も機転をきかして止まったか反転したのだろう、ぶつからなくて良かったと思うと今度は自分のいる場所を考えると、その時に対向車線から車が来ていたら逆に間違いなく自分がお陀仏になっていただろう。あまりにも一瞬の出来事に冷や汗も震えもなく冷静で客観的な自分がいて不思議な感覚に包まれる。その後配達を終わらせ店に帰ると、外で遊んで欲しいとハルトが無邪気な笑顔で出迎え。ハルトが楽しそうに雪いじりをしている姿を見て、生かされた喜びが湧きあがりました。自分はそんなに運に恵まてない人生かと思っていましたが、振り返ると今まで、車で重大な加害者になることもそして重大な被害者になることが幾度かありましたが、大したことにならずここまでこれたのはやはり“運”を持っているのかな。“運”!?そうだロト買ってこようウン、ウン。