清泉 純米吟醸 完熟

2022.1月から始まったコロナウィルスで揺れる世界ですが今、後回しにされがちですが、待ったなしの世界的課題に”温暖化”があります。多くはそれに伴う自然災害を心配されがちですが、温暖化によるその土地気候風土で作られる農作物にも非常に影響を及ぼし始めています。米どころ故、日本酒造りが盛んな新潟ですが、その米作りが年々難しくなっていることを憂慮している久須美酒造では、長年技術顧問をお願いしている酒造りの権威より「麹をしっかりつくれば、貯蔵温度が自然に近い温度（夏季を除く）でも酒は劣化しにくくなる」と指導を受け、約10年前から理想の麹（出目金型）造りに挑んでいました、この麹造りは一朝一夕では出来ない至難の業で顧問曰く全国の酒蔵で造れているのは2,3蔵だけだと何年か前の吞み切りの席で話したことを思い出されます。久須美酒造では日夜研鑽を重ねついにこの麹を主たるとして大吟醸造りをした酒を仕込むことができました。その酒は、通常の酒の熟成過程においても味のまろやかさと香りが増すという相乗効果が生まれ、これからの自然環境の変化に対応できる酒造りの大いなる一歩を踏み出しました。
「完熟」の意味については、何年熟成ということではなく、旧蔵で熟成させた酒が、香り・味共に深みとまろやかさが出て、「完熟」に相応しい旨味に仕上がったということで、このタイミングで商品化したものです。フルーツをイメージすると分かりやすいと思いますが、「完熟」といえば、まさに食べ頃を表します。「純米吟醸 完熟」は蔵から湧き出る新潟県名水指定の自家湧水、名称「酒屋の清水」の上品な優しい水の良さが引き立ちます、是非ともお愉しみください。